問題を分析し、構造化する方法
前回(問題を定義する方法)では、どう問題を正しく把握するか、をまとめた。
今回は正しく定義された問題をどう分析し、構造化することで、解決方法を導くのか、を述べたい。
問題を枠組み(フレームワーク)で分析し、詳細構造を明らかにする
問題は多くの状況が重なりあい、複雑になっていることが多い。まずは、問題を分野などから適した枠組み(フレームワーク)に当てはめ、詳細構造を明確にする必要がある。
問題に対して必要なフレームの組み合わせの例は、以下のようなものとなる。
問題)プロジェクト期限が近づいているが、品質が悪い
- 品質管理基礎(QCD)
→分析例:期限の設定に対して、C(人員)が少ない。その為Q(品質)の確認ができていない。
上記のように問題に合わせてフレームワークを当てはめ、分析することで問題の構造が詳細化されていく。詳細化された構造は問題が発生した原因が何か、を示している。
問題の原因を仮設的に設定する
問題の原因が明らかになると、次に行うことは、解決方法について仮説を設定する。
仮説の設定方法は、次のような点に留意する必要がある。
- 新規性、独自性がある
上記は、新しいビジネスを起こす際に、誰も気付いていない市場を見つける、という説明が多いが、その限りではない。
問題となっている=誰も解決方法に気付いていない。であり、そのことにスポットを当てて考えることは必要なのだ。
- 具体的な行動(アクション)に繋がる
たとえば、品質が悪いから、管理をしよう、などと抽象的なことは具体的ではない。
例えば、品質が悪い=誰もチェックをしていないのであれば、確認する。確認方法はインスペクション(定められた手順、チェックリストで第三者確認を行う)とより具体的な手順、プロセスを定義する必要がある。
- 実際に活用できる
これは、実現可能な仮説であることを指す。
例えば、期限に対して100人日工数が足りず、人がいない、という問題の場合、では、100人を調達して解決する。ということは実現可能ではない。
100人日工数が必要分に対して、今ある人数で実現可能なもの以外は対象から外す、もしくは期限を顧客への影響が最小限となる範囲まで伸ばす、というのが現実性があるだろう。
設定した仮説の妥当性を証明(または否定)するデータを収集する
設定した仮説が正しいか証明するには、事実を示すデータが必要となる。
それは、ピラミッド原則に従うと、仮説が主題(テーマ)となり、事実を示すデータが主題を支えるひとつレベルが下の階層のメッセージと言える。
例えば、以下のような例となる。
仮説)機能ABCのうち、BCを対象外として、Aを期限内に納品することが可能
- 機能Bは既存のシステムがあり、そちらで業務遂行が可能
- 機能Cは期限の1年先の法改正を見据えた機能であり、必達ではない
- 機能Aのみを対象にすれば、現状の工数、人数で達成可能
今回は仕事を行う上で、基本であり、必要な問題解決について、分析と構造化、解決についてまとめた。
今回挙げた内容を常に意識しながら日々の業務に向かい、習慣化していきたい。