プロジェクトのリスク管理方法
今回は、プロジェクトマネジメントにおける、リスク管理方法についてまとめてみる。
リスク管理とは?
リスクとは、現在発生している問題ではなく、将来プロジェクトに起こりうる脅威、危険を予測し、予め対策を行うことを言う。
問題との違いは、端的に言えば、現在発生しているか、していないか、という違いとなる。
リスクを定義する方法
では、どのようなものをリスクと定義すればよいのだろうか?
端的に言えば下記となる。
- 現在発生していない
- 将来的に発生する可能性がある
- プロジェクトに影響を与える
例えば、「プロジェクトを構成するメンバーの一人がプロジェクトを辞めてしまいそう」というのがリスクとなる。
次に定義しなければいけないのは、影響度だ。
リスクを分析する方法
「プロジェクトを構成するメンバーの一人がプロジェクトを辞めてしまいそう」というリスクの場合、その辞めようとしているメンバーがどのような役割を担っているか、によって影響度が変わってくる。また、発生確率も人によって違う。メンバーにとても重要な役割を担っているメンバーがいる、当然そのメンバーが辞めた場合の影響度は大きいものだが、その方が辞める気持ちがなく、前向きにプロジェクトに邁進している場合、辞める可能性が低く、リスクとして、挙げる必要がない場合がある。
上記のようにリスクとなる要因に対して、以下を分析することでリスクとなり得るかどうかを分析する。
- 影響範囲
- 発生確率
上記の分析は、「低い、普通、高い、非常に高い」など定性的に分析することが大事だ。
リスクを対策する方法
リスクを特定出来た後は、そのリスクに対して対策を行うことになる。
リスク対策には、大きく分けて4つの方法がある。
- リスク回避
- リスク低減
- リスク移転
- リスク保有
リスク回避
リスク回避とは、リスクを抱えた状態、状況を避ける。ということとなる。
「プロジェクトを構成するメンバーの一人がプロジェクトを辞めてしまいそう」の場合、そもそものメンバーを辞めさせないようにするか、もしくはそのメンバーをプロジェクトから外す、といった対策がリスク回避となる。
リスク低減
リスク低減とは、リスクの発生確率を下げる、もしくはリスク発生時の影響を低くする、またはそれらの両方の対策をとることをいう。
「プロジェクトを構成するメンバーの一人がプロジェクトを辞めてしまいそう」の場合、そのメンバーが辞めてしまう時期を延期させる。または、そのメンバーが担う範囲を小さくする。ことがリスク低減となる。
リスク移転
リスク移転とはそのリスクとなる要因を他へ移動させてしまうことをいう。
「プロジェクトを構成するメンバーの一人がプロジェクトを辞めてしまいそう」の場合、その辞めてしまうメンバーを他の人間に変える。またはそのメンバーが担う範囲を他者へ移動(委託も含まれる)を行うことが、リスク移転となる。
リスク保有
リスク保有とは、リスクを回避も低減も移転もしない、つまり「何もしない、発生した損失は甘受する」ということをいう。
「プロジェクトを構成するメンバーの一人がプロジェクトを辞めてしまいそう」の場合、そのまま対策せず。辞めさせてしまう。
しかし、この方法は認められる影響範囲が小さいリスクに対して行うことが一般的だ。
終わりに
今回はプロジェクトマネジメントのうち、最も技量の問われるリスク管理をまとめてみた。
リスク管理を常に行えるマネージャーは「仕事を先んじている」ことができる人間であり、やはりどれだけ先を見通して、対策を考えられているか、がよいマネージャーの資質と言えると思う。
自分も携わったプロジェクトに関わる情報を常に整理、分析し、先んじてリスク管理できるよう、習慣化していきたい。