ロジカルシンキング、ライティングの練習を習慣にするには

 前回の「考える技術・書く技術」では、MECEロジカルシンキング・ライティングの基本原則を学んだが、実際に自分の技術として身に付けるために、日々練習することが必要と感じた。

日々練習することを習慣化するためには、どうすればよいか、を考えたところ、以前読んだ本「速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術」にその練習方法が例として載っていることを思い出した。今回はその内容をまとめてみる。

 

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

 

 

第3章に「思考のスピードを上げる具体的な方法」として下記が紹介されているが、この内容はロジカルシンキングの練習を習慣化することについて必要なものが書いてると感じたので、下記する。

メモ書きで「ゼロ秒思考」を目指す

A4用紙を横置きにして左上にタイトル、右上に日付、本文を4〜6行で各20〜30字程度書く。この1ページを1分で書き、朝起きてから夜寝るまでの間に毎日10ページ書くと頭が非常にすっきりする。これをメモ書きと呼ぶ。

メモ書きは、気がかりなことが頭に浮かぶたびに、溜めずに全部メモに吐き出していくことがよい。

書くべきタイトルは例えば

  • 上司はなぜ新プロジェクトを任せてくれなかったのか
  • 次の会議の議題は何にすればよいのか
  • 彼(彼女)からメールが3日間ないが、怒っているのか
  • 彼(彼女)にどう謝るべきか

などだ。気になるたびに吐き出すことで、自分が何を気にしているのか、もやもやしているものは何なのか、どうして嫌なのか、が整理されてくる。

異次元のスピードをもたらす仮説思考

仮説思考とは、「これはこうかな」とおおよその自分の考えを持つこと、持とうとすることを本書ではいっている。例えばアパレルECストアを開発する場合、服を買うとき、人が何に困っているのか、何がうっとうしいのか、世の中で言われているほど服を買うことは楽しい時間なのか、お客様の立場に立って徹底的に考えぬく。そうすれば、ショッピングが好きだという女性であってもじつは時間があまりなく、結構面倒だと思う人も多いのではないかと想像が働くようになる。

仮設は検証しなければ意味がない。仮設の検証はインタビューや不具合情報の分析などによって行う。インタビューは、むずかしく考えず、一番知ってそうな人をすぐつかまえてともかくいろいろ聞く。インタビューや不具合情報の分析をベースに、最初の仮設を素早く修正する。

「仮説思考」というと難しそうだが、雨が振りそうだから傘を持っていくなど、日常生活で誰でもごく普通にやっていることだ。

仮設思考ができる人は、常に仮設構築、検証、仮説修正、検証というステップを電光石火に回している。

ゼロベース思考にも取り組む

ゼロベース思考は「本来どうあるべきか」「本当はどうなってないといけないか」を前例や現状にとらわれず、徹底的に考えぬくことだ。メモ書きと相性がよく、日々のメモ書きを行っているときにゼロベース思考を取り入れるとよい。

「深掘り」で真実を追求する

メモ書きをしながら、あるいは仮説思考やゼロベース思考をする上でさらに重要なのは、聞いたこと、考えたこと、感じたことを深掘りすることだ。

納得するまで「なぜ」を繰り返し、人に聞いたこと、新聞・雑誌・ネットで読んだことを根本から疑い続ける。人を疑うのではなく、聞いたことも見たことも全て自分で咀嚼し、必要に応じて調べ「なるほどね」と思うまで考え続けることだ。

深掘りをするうえでのポイントは、丁寧な姿勢を崩さないものの、相手が少しくらい面倒そうでも遠慮せずに聞き続けることだ。ただ、質問する際に注意すべき点がある。よくわからないから聞くわけだが、相手への好意と尊敬の念を持って質問することだ。ぜひにこやかに、丁寧な口調でうまくリードして質問を続けていく必要がある。でないとちょっとうるさいやつになってしまう。仕事のできる人とできない人の大きな違いは、適切なスタイルでどこまで質問できるかという点に現れる。

  • 相手が少しくらい面倒そうでも、疑問に思ったら「なぜ」を続ける
  • 簡単そうだが、相当の努力が必要。問題意識と好奇心が極めて強くないと質問が続かない
  • 考える訓練として格好の場になる
フレームワーク作成トレーニング

物事を整理するための枠組みで、2✕2、あるいは3✕3で整理する。複数のアイデア、問題点を2軸、4つの箱で整理することで、アイデアや問題点を切り分けられる。優先順位が明確になり、効果的に取り組みやすい。

フレームワークは使いこなすことは結構むずかしい。「好きな食べもの」「読みたい本」などちょっとしたことをタイトルにして、2✕2のフレームワークで整理すると練習しやすい。A4用紙を横置きにして、2✕2のフレームワークを上下に3個ずつ計6個書き、コピーする。毎日1ページ、6個ずつフレームワーク作成の練習をするとよい。

 

終わりに

習慣化させることは、自分も苦手なので少しずつはじめて、続けていきたい。まずはメモ書きを1日10分から行っていこうと思う。