考える技術・書く技術

今回は、MECEで有名なこの本についてまとめてみる。

本書は、コンサルティングファームの新人が必ず読まされるとか、ハーバード・ビジネススクールのテキストにもなっているとか言われる、ロジカルシンキング・ロジカルライティングの決定版である。

 

 

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

 

 

第1部 書く技術

第1章なぜピラミッドなのか?

 ピラミッド型(Q&Aのプロセス)の展開は、読み手の頭の中で起こる基本的なメカニズムを反映している

 

 マジックナンバー7(5+2)でストップする
 関連付けの論理を明らかにせよ
 
 トップダウンに配列する
  →最もわかりやすい順序とは、まず全体を要約する考えを述べ、そのあとに個々の考えをひとつひとつ説明していくこと
 ピラミッドの各メッセージは、ひとつの考えの下に、ピラミッド構造を構成する
  1. どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものであること
  2. 各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること
  3. 各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序づけられていること
   ●演繹の順序(大前提、小前提、結論)
   ●時間の順序(1番目、2番目、3番目)
   ●構造の順序(北から南、東から西、等)
   ●比較の順序(1番重要なもの、2番目に重要なもの、など)
第2章ピラミッドの内部構造はどうなっているのか?

 ピラミッド構造を書く前に、自分の考えを正確に発見しなければいけない

 その発見プロセスは
  ●主ポイントと補助ポイント間の縦の関係
   ピラミッド構造はQ&A形式の対話スタイルになる。なぜ?なぜ?なぜ?で深堀りする
  ●補助ポイント同士の横の関係
   演繹的論理でグループ分け
   帰納的論理でグループ分け
  ●導入部のストーリー展開
   導入部は読み手に疑問を思い出させる
 
第3章ピラミッドの構造はどうやって作るのか?

ピラミッドを作る

  • 主題(テーマ)を明らかにせよ
  • 「疑問」が何かを決めよ
  • 「答え」を書いてみよ
  • 「状況」と「複雑化」によってその「疑問」が導かれるかどうかをチェックせよ
  • 「答え」が妥当かどうかをチェックせよ
  • キーラインを埋める作業に取りかかれ
第4章導入部はどう構成すればいいのか?

導入部を書く

  • 「状況」を述べよ
  • その状況で、「複雑化」が発生し、
  • その複雑化が「疑問」を引き起こし
  • その疑問に対しあなたの文書が「答え」を出す
第5章演繹法帰納法はどう違うのか?

論理的に理由付ける

  • 演繹法は一本の理由付けラインで展開する
  • 帰納法は類似の考えや関連する行動をグループ化する
  • キーラインレベルでは帰納法の方が、演繹法よりも望ましい

第2部 考える技術

第6章ロジックの順序に従う

論理的順序の種類

  • 時間の順序(自分の考えを述べるとき、プロセス・フローとして図示するならば
  • 構造の順序(自分の考えを述べるとき、構造にコメントするならば
  • 重要度の順序(自分の考えを述べるとき、分類を行うならば

行動の考えを配置する

  • 各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とせよ
  • 同一結果を導くアクション群をひとつのグループとせよ
  • グループ化の根拠になるプロセスや構造を明らかにし、その順序に従い配置せよ
  • 見落としたアクション・ステップがないかどうかをチェックせよ

状況の考えを配置する

  • 同じ種類で表現される考えをひとつのグループとせよ
  • グループ化の根拠となる構造や分類を明らかにせよ
  • 各ポイントを主題・述語を備えた文章形式に書きなおした後、配置の順序を決めよ
  • 見落としたポイントがないかチェックせよ

グループの考えを要約する

  • 行動の考えを要約する場合、それらアクション群を実行することにより直接得られる結果を述べよ
  • 状況の考えを要約する場合、それらポイント群の類似性の意味を述べよ
第7章グループ内の考えを要約する

考えの類似性を発見する

  • 各考えがすべて同じテーマについて述べている
  • 各考えがすべて同じアクションを必要としている
  • 各考えがすべて同じ対象に対するアクションについて述べている
  • 各考えがすべて同じ洞察結果を意味している

行動の考えをリスト化する

  • 各ポイントを裸にし、類似のキーワードでグループ化せよ
  • 各グループのレベル(階層)の違いを明らかにせよ
  • 各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とせよ
  • アクション群の実行から得られる結果を述べよ

状況の考えをリスト化する

  • テーマ(主題)、具体的表現(述語)、目的(目的語)、意味するものなどの類似点を発見せよ
  • 各ポイントをできるだけ狭くグループ化せよ
  • そのグループ化が何を意味するのか(推論)を述べよ

第3部 問題解決の技術

第8章問題を定義する

問題を定義する

  • 問題が発生した分野を目で見えるように図式化せよ
  • 今までの安定を覆すような出来事を述べよ
  • 望ましくない結果(R1)を明らかにせよ
  • 望ましい結果(R2)を具体的に述べよ
  • その問題を解決するために、今まで何らかのアクションが取られたかどうかを明らかにせよ
  • 分析の目的、すなわち分析により答えるべき疑問を明らかにせよ
第9章問題分析を構造化する

分析を構造化する

  • 問題を定義せよ
  • 診断フレームワークを用い、問題分野の詳細構造を明らかにせよ
  • 問題の原因を仮設的に設定せよ
  • 設定した仮説の妥当性を証明(または否定)するデータを収集せよ
終わりに

本書を読む前、私は書くこと、考えることについては方法論などが存在せず、練習が必要なものだと漠然と考えていた。

本書で書くことの必要性を訴え、書くことで考えを整理し、最終的に文章をピラミッド構造とすることで相手に伝わる文章となる、という方法論が存在することに驚いた。

考えを書き表す順序をしっかりコントロールすることは、わかりやすい文章を書く上で最も重要なことのひとつである。そして、最もわかりやすい順序とは、まず全体を要約する考えを述べ、そのあとに個々の考えをひとつひとつ説明することである。

上記を重要なポイントとして常に考え、日々繰り返し練習することで、内容を習得していこうと思う。